「アザレアの心臓」 レビュー&近況

皆様おはようございます。
SoundCloudに接続しようとしたらスマホ規制くらって二進も三進も行かなくなってるジバさんです。DIS-chargeとも
期末試験なので更新をサボっておりまして申し訳ない…さあみんなで殴ろう((

ジョジョ第三部が毎度毎度神回すぎて困る((
好きなスタンドはヘブンズ・ドアーですwww





さて、今回は

\どじゃああああああん/

6月22日に購入したこちら
『アザレアの心臓』
のレビューをしていきたいと思いまする!

このアルバムはボカロPのトーマさんによる1stメジャーアルバムですね。
え?じゃあ同人があるの?
廃盤になったんですよ…orz

このアルバムは歌で構築された架空の街がテーマで、きちんとそれぞれにストーリーがあるわけですね。
こういった発想とか姿勢とか凄く憧れるんです私((
創作活動で歌以外のこと、感動や憧憬もそうですが、テーマ、ストーリーが作られる、ということが個人的に大好きなんですよ…

前置きは置いておいて、とりあえず曲の紹介と行きましょう。
アニメイトにも置いてありますので今でも買えますね。興味が出たら是非、手にとってみてくださいね
(ボーカルは追記されてないのでので鵜呑みにしないように)



01. 潜水艦トロイメライ feat.GUMI


―そして、また、長く眠ってしまう。

このアルバムの導入を務める訳ですが、導入という言葉ではもったいなほどの荒ぶりようを見せる曲です。
ツービートジャズ、へヴィロックなどの要素がマシマシ、おまけに展開がむちゃくちゃ変わるという凄まじく落ち着きの無い曲であり、だからこそ美しい。
高速で進むオケと、それこそ潜水艦で旅をする深海を想起させるような、そんな音遣いが特徴的です。
大好きです。ええ。

潜水艦で旅をした先に眠っていたものは遥か昔に打ち棄てられた文明だった。
それこそ歌詞のように「始まりのようで 終わるような」曲でした!
この調子で、あと12曲…



02.リベラバビロン feat.初音ミク


―沈む 沈む 太陽がない

アレンジ楽曲その1。
潜水艦トロイメライのように奔放に伸縮する音楽の種類と音色、リズムに、まさしく穢れきった大都会の景色が重なります。
そもそも原曲「バビロン」の面影はほとんどなく、もうひとつの曲であるかのような印象さえ受けます。
その原曲よりも、さらに「闇」の部分際立つアレンジになってます。さすが二曲目。メイントラック。

なお、今回原曲で描かれなかった「都市が海に沈んでいく」という突拍子もないと云えば突拍子もない展開が追加されていたりします。
さらに込み入った解釈が可能になるわけですゴゴゴ



03. サンセットバスストップ feat.GUMI 


―次の幸せ ありつく僕は なんて我儘だ

その前の二曲とは打って変わって、落ち着くゆったりと、語りかけるような曲に仕上がっています。
音色は同じようにギターがメインなのに、それでも温かな、どこか懐かしく、そんな曲なのです。
まさしく夕暮れの停留所を思い浮かばせるような…ああなんて画になるんだ…

曲単体で完結している印象があります。
何気ない日常が、ふとしたきっかけで様々な色に変わるような経験が、あったりしませんか…?



04. 魔法少女幸福論 feat.初音ミク


―そんな冗談で愛してみたいんだ この世の全てを

このチョイスは合うのか!?大丈夫か!?と疑問に思う隙もあらばこそ、やはりトーマさんの華麗な匙加減はこのモチーフを街の一角に押し込むだけのテクニックを持っております…
最初は珍しくポップなイントロが炸裂する明るい曲なのですが、二番サビを聞いた後は一気に闇堕ちしていくような印象が出てきます。
そして最後はやはり明るく終わっていく。シンセサイザーが多めな気がしますね

いつまでも子供でいたいとき。いつまでも現実を見ていたくない時。
奇跡が降り注がなくなったあと、少女の目の前に現れたものとは…



05. envycat blackout feat.初音ミク


―どうか、幸せで!

アレンジ曲その2。
原曲はそれこそロりポップのようにもう少しキュートな印象も無きにしもあらずでしたが、今回はさらに汚れた雰囲気に昇華されています。ギター大活躍。
もっと汚れていて、もっと救いようが無くて。まさしく路地裏の猫のように。
それにしても早口だから歌いづらいのなんの(((

路地裏で媚を売る彼女。この街のように、愛されたいということの一つのかたちかも知れません。
果たして救いがあるのだろうか、神のみぞ知る…



06. 九龍イドラ feat.GUMI


―賛同者よ その手で掴むんだ 実直で穢れない明日を

アレンジ曲その3。
相変わらずギター大活躍なのに、見事に東洋の胡散臭さが満ちる曲。どうしたらああなるのか…
この曲が一番原曲に近いですかね、変わったのはベースラインとサビの歌詞ぐらいですし
しかしその主張は一気にストレートに、声高に正義を叫ぶようになりました。

声高に叫ばれる正義。しかし彼は賛同者を集め、扇動していく。
同封のショートノベルには意外なオチがあるので必見



07. 廃景に鉄塔、『千鶴』は田園にて待つ。 feat.トーマ


―これはまだ始まりだった

情景のキメ細やかな描写がなされた歌詞も特徴的ですが、何よりびっくりなのは本人が歌うこと。
そんな歌詞とマッチしたトーマさんの歌声は実に儚く、でもどこか力強い、そんな印象の声です。
最初は疾走感あふれる曲ですが、サビやラストはのちのちに繋がるような優しく包まれるようなメロディがこれまた特徴です。

自らを僕の生まれ変わりと呼ぶ少女。
赤い鉄塔と、彼女の綺麗な歌。




08. オレンジ feat.初音ミク


―君の幸せな未来を、ただ、願ってる。

オレンジ。何の変哲もないタイトルですが、普段と毛色の違う温かなバラードの曲。
誰かの幸福を願い、別れていく歌。トーマさんはピアノの音遣いも綺麗だと感じさせる名曲。
それでもギターはいつものように鳴り響き、ああトーマさんだ、と分からせてくれます。

いつでも一緒だった二人が、別れてしまうようなことになった時。
ショートノベルの二人の掛け合いは見ていて思わず和みましたw



09. 未来少年大戦争 feat.GUMI


―未来の僕らに恥じぬように 手遅れになる前に

最初は特に特別な感情も抱かず、「つなぎかな?」なんて不遜なことを考えたりもしましたが、かっこいい。
特にベースラインが光ること光ること…歌詞の主張は青臭く泥臭く、だからこそ共感できるのです。
世界を相手に、ちっぽけな一人で相手をしたくなります…今ではお気に入りの一曲。カラオケで歌いたいのに…

未来からやってきた僕。誰からも愛されない未来を変えるために。
少年は突破口に気づくのだろうか。



10. ヤンキーボーイ・ヤンキーガール feat.GUMI


―素直になれないまま 誠実なまま

タイトルこそ衝撃的ですが、未来少年大戦争の流れを汲む、こちらも青臭い曲。
誰かと一緒に正義を叫ぶ。やりきれない衝動は自分なりの正義を目指して突き進む。
最後の一文には思わず痺れます。云わないよ?((

仲間と一緒に駆け抜けた戦場。
小さくても、それは立派な仲間たちとの戦争の結果。




11. クジラ病棟の或る前夜 feat.初音ミク


―許せないこの僕をもう一度、許してほしい。

流れをぶった切らない程度に絶妙な、でも確かに流れを変えるしっとりした曲。
もうすぐ死んでしまうであろう彼女に紡ぐことばは拙く、あまりにも脆い、なんの取りとめもない話。
どちらかというとギターよりもピアノが前面に出ていますね。完全に泣かせに来ています…

死んでしまう彼女に、たどたどしく語りかける彼。
彼が夢で見た光景は…




12. アザレアの亡霊 feat.初音ミク


―愛も知らないまま 汚れたまま

そしてここで怒涛のように押し寄せるメロディとドラムビートの嵐。メイントラック。
今回のラスボスとも呼んで差し支えないような激しく熱い曲。
帰る場所。愛してくれる場所。それが無い亡霊たる彼の、悲痛な叫び声のような、そんな曲です。

自分を正当化してくれる「愛」。この街そのものである彼には存在しなかった。
許してくれる人は現れるのだろうか。



13. 心臓 feat.トーマ


―離れてしまっても 殺されてしまっても 誓うよ

エンドロール曲であり、二曲目の本人歌唱。真のラスボストラック。
もう何も云うことは無いだろう、たとえ愛されなかったとしても、懸命に鼓動を繋ぐ、そんな曲。
全てを包み込んで、よく頑張ったね、と囁いてくれるような、そんな曲でした。



総評

ただのギターでも、ここまで様々な表情を見せるような曲たちを私は聴いたことがありませんでした。
魂を掻き毟るような、時たま穏やかに撫でてくれるような、様々な景色が、それこそ街のように垣間見えた気がします。
この街にハッピーエンドは、訪れるのでしょうか?
トーマさんが復活してこなくなった今は、もうなんとも云えませんが…
是非、そうであってほしいな、と思わざるを得ません。









さて。


今日は私の誕生日だあああああああああああああああああああああ!!!!!!

なんという空気の読めなさ…
ですがそうなのです。十六歳になりました。
これからもよろしくお願いします。m(_ _)m










EnD